筆者は、近年SNSで見かけるいじめに関する動画や記事について、
当事者のみがメディアで大きく取り上げられている現状に疑問を抱いている。
その一方で、それらをSNSで拡散する傍観者についても、
加害者と同様に何らかの責任が問われるべきではないかと考えテーマを選んだ。
1.いじめによる身体精神異常
<社会課題>
- 高校では、半数以上の3,411校/5,585校がいじめを認知しており、1校当たりの認知件数は3.2件で、前年度の2.8件から3.9%増加した。
- 学校としていじめの兆候を見逃してしまうなどの早期発見・早期対応への課題や個々の教員が一人で抱え込んでしまうなど、組織的な対応への課題があったことなどが考えられる。
- 高校でのいじめによる心身の不調や不登校は、進学や就職といった将来の進路選択に大きな影響を及ぼす。
2.いじめ防止基本方針事例
<解決事例>
- 大阪府立みどり清朋高等学校は、互いの違いを認め合い共に学び生きるため、人権教育を重視し、いじめ防止基本方針を定めている。
- 早期発見対策として、毎朝のSHRで生徒の表情を確認し、欠席が続く場合は電話や家庭訪問で状況を把握し、担任や学年で情報共有している。
- 日本では、いじめは当事者だけの問題になりがちで傍観者への取り組みに十分にフォーカスされていない。
3.傍観者に焦点を当てたプログラム
<企業展望>
- いじめに関する認知、境界線が曖昧なため自覚性が低い。他人事のように見て見ぬふりをしてしまう。
- 加害者と傍観者の責任を同等に捉え、これまで傍観者であった人々が被害者を助ける環境づくりが望ましい。
- いじめの定義理解を深めるため、日本でも KiVaプログラムのように傍観者に焦点を当てたプログラムを導入する。
4.KiVaプログラムとは
<参考補足>
- KiVaは、フィンランドのトゥルク大学で開発された、いじめ対策の公式プログラムで、欧米を中心に多くの国で導入されており、研究でもいじめの減少効果が確認されている。
- フィンランドの小中学生を対象にしたランダム化比較試験では、実施群でいじめの加害・被害が有意に減少した。また、大規模コホート研究でも、未導入群に比べ導入群はいじめが少なく、全国規模では被害者約12,500人、加害者約7,500人の減少に相当すると推計されている。
- いじめは集団内での地位や承認欲求に動機づけられ、傍観者や加担者の存在によって強化される。多くの生徒は黙認し、被害者を助ける行動に出にくい構造がある。
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